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2014年春、自民党に貸金業の規制緩和の動き

2014年の春に入り、自民党が貸金業法の上限金利を緩和する方向で検討していることが報じられています。

消費者金融の利息上限につきましては、2010年6月18日に施行された改正貸金業法により、それまでの29.2%から20%へと引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。けれども、これを再度、29.2%へ戻すための法改正が検討されています。

このグレーゾーン金利は2006年1月の最高裁判所の判決にて否定されており、それ以降、消費者金融各社は利息返還訴訟に追われている状況にあります。当時、社会問題となっていた多重債務問題を解決するため、グレーゾーン金利の撤廃と総量規制が導入されましたが、また元に戻すのは世論の反発が出てくることも予想されます。

また、貸金業法の改正と利息返還訴訟の影響により、武富士など大手の消費者金融会社が相次いで破綻した経緯もありますので、各社が銀行の傘下に入ったタイミングで、再度、上限金利を緩和させる動きには違和感を感じる人も出てくるかもしれません。

一方で、この上限金利の引下げと総量規制の導入により、借り手にとっては融資を受けづらくなっている状況にあり、2005年度までは11兆円以上あった貸出残高が、2012年3月末の時点で約3兆円にまで減少しています。

また、中小企業の経営者にとっても、黒字経営ではあるのに、一時的な資金が借りられないために倒産してしまうといったケースもあり、資金が必要な人に対して貸出しがされないことへの弊害も生じています。このような弊害について、もともと自民党は貸金業法の改正を見直すことを2012年の選挙公約にかかげています。

182  適正な規模の小口金融市場の実現と真の返済困難者の救済  2006 年 12 月の改正貸金業法の成立、2010 年 6 月の同法の完全施行という一連の流れの中で、市場の収縮・マクロ経済への悪影響、新種のヤミ金の暗躍、返済困難者の放置といった様々な影響が顕在化しています。そのため、上限金利規制、総量規制といった小口金融市場に対する過剰な規制を見直すことによって利用者の利便性を確保します。同時に、多重債 務者に対する支援体制を強化するとともに、ヤミ金融業者の摘発強化、適正業者の育成を図り、健全な借り手と健全な貸し手による適正な規模の小口金融市場の実現と真の返済困難者の救済を目指します。

2012 自民党総合政策集

加えて、TPP交渉においても、規制の撤廃や自由化へ何らかの圧力が出てくるものと予想されております。世界的に見ても、消費者金融への金利や総量規制がされているのは珍しいとされています。

さらに、2014年の春からの消費税増税による景気の落ち込みが予想されております。特に、低所得者層や中小企業への影響が懸念されており、それらの人が資金を調達しやすくなるよう、このような利息上限の引き下げなどの規制緩和の動きが出てきたものと考えられます。

再度、貸金業法が改正されるのかどうかは未定の状況ではあるものの、もともと政権交代した2012年の選挙公約だったこともあるので、今後、消費者金融業界における規制は緩和される方向にいくことが予想されています。

貸金業の規制緩和検討の報道

2014年4月19日、日本経済新聞で自民党の金利規制の緩和検討が報じられたことで、翌21日の株式市場ではノンバンク銘柄が急騰。

麻生金融相の発言

2014年4月28日、金融担当大臣の麻生氏が参院決算委員会で発言したことを受け、4月30日は市場が反応し、アイフルやアコムなどのノンバンク銘柄の株価が急落。

「平成18年、あの、貸金業法の改正について多重債務者対策のうえでこれは結構効果があったと。今現状として政府として、これを制度について直ちに改定するという気はありません。」

ただ、ADRリファイナンスの思惑でアイフルへの注目度が依然として高く、連日、出来高上位で推移しております。メリルリンチでは7月10日期限のADR問題について、「ADRローンの借換についての合意は成立する可能性が極めて高い」と見ており、今後も注目銘柄として人気化しそうな様相を呈しています。

小委員会の立ち上げ

2014年5月22日午前8時、自民党本部で小委員会が立ち上げられ、貸金業法の改正について検討がスタートされました。予定では、今国会中に改正案をとりまとめ、秋の臨時国会への提出を目指すとしています。法律ができるまでの流れ

「世界に比べてもかなり強烈な規制になっているので、その辺をどう世界標準に合わせていくのか。」

自民党 平将明氏の発言伴い、22日は午後から市場が反応し消費者金融銘柄が一時的に急騰しましたが、落ち着きを取り戻しています。